中国の海賊版市場規模を追え!(※日経ビジネスオンライン、より)http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080219/147482/

これまで本連載では、安価な海賊版の普及により日本動漫が中国の若者や子どもの間に広まって
いった、と何度も記してきた。ただし、それは取材などを通じて私自身が感じた、まさに感覚的な
仮説であり、数字で完全に立証できたわけではない。

はたして、中国の動漫海賊版市場はどのくらいの規模なのだろうか?

1 :あやめφ ★:2008/02/20(水) 11:41:21 ID:???
これまで本連載では、安価な海賊版の普及により日本動漫が中国の若者や子どもの間に広まって
いった、と何度も記してきた。ただし、それは取材などを通じて私自身が感じた、まさに感覚的な
仮説であり、数字で完全に立証できたわけではない。

はたして、中国の動漫海賊版市場はどのくらいの規模なのだろうか?

私自身、もともと経済を研究対象としているわけではないので、「市場」だの「経営」だのといった
用語が苦手で、そんな言葉が出てくるとどうも戸惑うのである。長年留学生の世話をしてきた
ということもあり、中国に関しては、人材育成の観点から調査や研究を続けてきた。ゆえに
中国の教育問題に関してなら、まぁ、一応こなせるつもりだが、しかし「市場」となると、
そうはいかない。

さて、どこから手をつけようか。何せ相手は「海賊版」である。正規の数字がない、というのが
前提だ。ウェブでちょこちょこ検索しても限界はあろう。ともかく、手当たり次第に生データを
あさってみた。

■ 電話をかけてもかけても「そのデータはありません」

海賊版、ということで最初に連想したのが著作権侵害の絡みで数字がないだろうか、ということだ。
手始めに日本の著作権協会関係者に電話してみた。すると、「海賊版という不特定多数に関する
著作権侵害に関しては承知してないし、また中国における日本動漫海賊版の規模と限定した
対象になると、なおさらだ」という回答が戻ってきた。

次に日本動漫に関しての海賊版なのだから、直接の被害者であるはずの日本漫画家協会なら
知っているかもしれないと思って、そこに聞いてみることにした。しかし、ここでも「そういうデータは
持ってない」とのこと。「何なら会長の松本零士さんが著作権の代表を務めておりますので、
そちらにつなぎましょうか」と助言いただいたが、まさか松本零士氏のような大家に日本動漫
海賊版市場規模などをお聞きするわけにはいかない。いくらなんでも失礼だろう。「いえ、
そこまでは、申し訳ないですから」と遠慮すると、「それでしたら、日本著作者団体協議会に聞くと
いいかもしれません」と電話番号を教えくれた。

残念ながら日本著作者団体協議会にもデータはなかった。日本動画協会なら持っているかも
しれないと教えていただき、今度はそちらに連絡。どの団体の皆さんもとても親切に対応して
くださったのだが、海賊版市場に関するデータはどこにもなかった。

思いあぐねて、今度は“ど真ん中”に電話で連絡をいれてみた。JETRO(日本貿易振興協会)の
北京事務所である。

NBonline
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080219/147482/
続き >>2-4

関連スレ
【中国】中国アニメ市場の規模はいまどのくらい?
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1202873537/


2 :あやめφ ★:2008/02/20(水) 11:41:30 ID:???
「さあ、そういうデータはないですね」
うーむ、こちらもか……。
「ただ、中国の国家版権局のホームページには、いくらかのデータは出ていますけど」

国家版権局のデータなら、すでにこちらも調査済み。そもそも同局のデータは日本という国を
特別に取り出して扱ってないので、こうして日本側関係者に聞いているわけだし……。

それなら日本の中央省庁、経済産業省はどうだろう。その代表に電話して趣旨を話したが、
「さあ、本省では、そういうことは扱っておりませんので、つなぎようがございません」と
オペレータ嬢は電話を切った。

いったい何本電話をしたことだろう。さすがに疲れた。疲れた頭でぼおっと考えた。なぜだ、
なぜなんだろう。

日本のメディアでは、現在、中国における海賊版の横行にきびしい報道がされている。日本の
関係者たちも憤りの声を載せている。なのに、なぜ日本側の版権関係者が誰も肝心の「日本動漫
中国海賊版市場」に関するデータを持ち合わせてないのか。日本は、自分が被害に遭いながら、
それに関して愚痴は言うけれど、基本的に無頓着というか、寛大なのだろうか。その寛大さが
海賊版市場の拡大を助長したのかもしれない。しかしいくらなんでも、JETROの北京事務所ならば
こういう情報に一番近いところにあり、持っているのではないかと期待したのだが……。

本部ならどうだろうか。中国関係なのだから北京事務所だろうと思ったが、今度はJETRO本部に
連絡してみた。以前、知財課を新設すると聞いたことがある。代表に電話してみると、案の定
知財課」があり、そこにつないでくれた。ただ、海外における日本コンテンツの侵害に関しては、
CODAという組織の事務局が知財課に置かれるようになり、そこが扱っているという情報を得た。

CODAというのは、Content Overseas Distribution Association(コンテンツ海外流通促進機構)の
頭文字を取った略称だそうだ。ホームページの組織紹介によれば「海外における海賊版対策を
講じていくため、経済産業省文化庁の呼び掛けで設立された民間組織」であるという。早速
そちらにつないでもらうと、CODA事務局がごく最近記者発表したばかりのデータがあると教えてくれた。

■ ついに見つけた海賊版市場規模の手がかり

2007年6月13日に発表したそのデータによれば、中国(大陸)、香港、台湾を対象として現地政府
取締機関と共同で計3587件の日本コンテンツ取締活動を実施したところ、「2005年1月から2007年
4月までの2年4ヵ月間で、映画、アニメ、音楽、ゲームなどのDVD、VCD、CD約374万枚の海賊版
押収。逮捕者は延べ1242名。1枚当たりの市場価格を仮に1300円とすると、押収物の総額は
48億6000万円に上る」とのこと。

CODAは、これは情報の一部であり、もし動漫関係に限るというなら、少し古くなるかもしれないが、
文化庁著作権情報センターがデータを持っていると思うので、そちらに連絡してみるといいでしょう、
と付け加えてくれた。

ありがたい。私はすぐに著作権情報センターに電話をかけた。
「ああ、その手の数字ならば、ありますよ」
あった! 遂に見つけた!

データはここにあった。しかも独自に調べたものである。少々古いのと、ある方程式を用いて
算出された「試算」に基づく数値ではあるものの、著作権情報センターに付設されている
著作権研究所が中心となって大きなプロジェクトを組み、学術的に調べて出てきたデータだ。
信頼性はかなり高い。

調査報告書のタイトルは『海外における著作権侵害の現状と課題に関する調査研究─中国調査編─』
で、sarah(私的録音補償金管理協会)の委託を受けて実施されたものであるとのこと。調査期間は
平成14年(2002年)11月29日から平成15年(2003年)1月7日まで。ただし、調査の際、権利侵害が
及んだ期間に関しては「2001年11月〜2002年10月」の「1年間」を対象としている。


3 :あやめφ ★:2008/02/20(水) 11:41:42 ID:???
2日後に北京出張を控えていた私に、著作権情報センターの方は、親切にもすぐに報告書を
送ってきてくれた。それによれば知的所有権を侵害された件数と侵害された額および侵害率
海賊版/出回っている全製品)は、映像ソフトで約19億4000件、売上高にして約1752億円、
侵害率84%となっている。

この報告書ではさらに、映像ソフトの海賊版の種類に関する侵害率分類が成されているが、
その中のアニメに関する部分だけを取り出して見てみると、ビデオによるものが90%、VCDが84%、
DVDが95%となっており、ビデオ海賊版とDVD海賊版の割合が、ほぼ同じ程度である。

しかし、少なくとも2007年、中国を訪れた私が自分の目で見て「感じた」ところによれば、圧倒的に
DVDやVCDが多く、ビデオソフトは海賊版売店や露天では、ほとんど見られなかった。
DVD対応のパソコンが急速に普及しているのが関係しているかもしれない。

映像ソフトにはテレビドラマの海賊版も多数含まれていたが、テレビドラマに関しては、ここ数年、
中国では韓国ドラマが絶大な人気を誇るようになり、かつてほど日本のテレビドラマを
みかけなくなっているようだ。少なくとも私の目には、そう映っている。

数年前のデータだけに、ここ4〜5年のこうした変化を考慮しながらこの数字を見る必要があるが、
それでもこの報告書はどこにもない唯一の情報だ。私にとって実に貴重な分析の根拠を与えてくれる。

さらにおもしろいデータも見つかった。

■ 中国語版はすべて海賊版!?

著作権情報センター著作権研究所はまた、日本コンテンツの著作権侵害状況に関して、中国、
香港、台湾、韓国、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピンを対象として調査し、2001年に
『海外における著作権侵害の現状と課題に関する調査研究─国内調査編─』という報告書を
出している。その中で非常に興味深いデータが私の目を引いた。

それは、「華僑・華人が多いマレーシアで中国語版の正規品市場規模が0%であるのに対し、
侵害品市場規模は100%である」一方で、「マレー語版の正規品市場規模が100%であるのに
対して、侵害品市場規模は0%である」という事実である。

要するにマレーシアに出回っている日本のコンテンツは、マレー語版についてはすべて正規品
なのに、中国語版はなんと海賊版しか出回っていない、というのだ。

なんともすごい数字である。中国語版の海賊版は、中国大陸のみに出回っているのではなく、
中華民族が多数住んでいるアジア各地を席巻していることになる。

マレーシアに出回っている中国語海賊版がマレーシア産なのか、あるいは中国大陸産なのか、
香港産なのか、はたまた台湾産なのか、このデータだけでは判別できない。ともあれ、日本の
コンテンツは、すでにアジア各地の中華民族の需要を満たすために、中国語バージョンの
海賊版のかたちで相当数出回っていることがよくわかる数字だ。

また、この報告書では、インドネシア以外において、おしなべて海賊版は「正規品より品質が劣る」
と回答している者が多いのだが、中国大陸だと、最近では正規品以上に「見た目がきれい」に
包装されている海賊版が多く見られるようになった。

正規品より海賊版のほうがきれい、というのも変な話なのだが、実はこれは注目に値する現象だ。
というのは、海賊版は版権等の経費が掛からないし、また中国における出版許可も経ずに
出版しているから、煩雑な手続きに多大な時間を費やすこともなく、コストが破格的に安くなる。
したがって多少、見た目をきれいにするためにお金をかけても採算が合う。おまけに最近は
上流志向のセレブな若者が増えているので、多少高くても「見た目がきれい」という消費者心理に
配慮する必要が生じてきた。海賊版と正規版との価格が近づいてきたというケースもあるようだ。

ただし、海賊版のゲームソフトなどは、途中でゲームが進められなくなるケースがけっこう
あるそうである。


4 :あやめφ ★:2008/02/20(水) 11:41:51 ID:???
「やはり、ゲームだけは正規版でないとダメだわ。途中でゲームがストップしちゃって、次の
ステージに進めなくなっちゃうんだもの」

日本人の私にそう「不満」をもらした中国人の利用者もいた。不満を言う筋合いではないだろう
とは思うが……。

こうした数字を見て改めて実感するのは、「日本って著作権に関しては、アメリカに比べると
やっぱり寛容なのだな」ということである。

無論、アメリカの動漫海賊版も中国で流通はしているが、ディズニーを筆頭にアメリカの企業も
政府も著作権の侵害に関してはきわめて厳しく迅速に対応する、と聞いている。

ところが、日本の場合は……。海賊版市場規模の調査の過程で、私は思いあまって、漫画を
数多く出版している日本のある大手出版社に、直接電話をして尋ねたことがあった。

「大変失礼ながら、もしできましたら、中国による貴社の被害件数を教えていただけないでしょうか?」

すると、担当者は「もしご存知でしたら、こちらが教えてほしいくらいですよ」と笑っていらした。

そういうものなのか……。私は感慨にも似た気持ちで、この担当者の言葉を聞いていたのだった。

著作権意識が強いあまりに、取り締まりを強化し、結果として自分たちのソフトの知名度を下げて
しまっているアメリカのコンテンツ産業と、著作権問題に寛容だったために、大量の海賊版
流通し、その結果、中国市場での知名度が飛躍的に上がり、自らのマーケットも拡大した日本の
コンテンツ産業。そのあまりに皮肉な対比と、担当者の寛大さに、深い感慨を抱いたのである。

中国の海賊版市場の一端がようやく見えてきた。

以上の数字はあくまで申告された被害額ベースであるから、被害総額5500億円というのはまさに
氷山の一角に過ぎない。侵害率がおおよそ8割から9割という数字に注目するならば、日本円で
年間10兆円単位になろうという中国の巨大な動漫関連市場のかなりの割合を海賊版の日本
コンテンツが占めている、と想像できる。しかも市場はまだまだ成長中だ。海賊版稼業も
やめられないだろう。

■ ITと連動して成長してきた海賊版

こうした海賊版市場の拡大は、まちがいなくITの発達と関連がある。

私が筑波大学で中国人留学生の指導に携わっていた90年代、中国から盛んにITに関する
研修団が筑波研究学園都市を訪れていた。最初にその兆しが出始めたのが1994年ごろで、
96年前後に訪問者の数が目立って多かったように思う。

この時期はちょうど、中国のIT化が急激に進んだ時期でもあり、実際、国家による「電子情報化促進」
への指令が出ていた。海賊版が増えるのも同時期である。コミックのような印刷物の形ではなく、
コピーが簡単で、ウェブを介して伝達も簡単なデジタル情報であるDVDやVCDの形による侵害行為へと
移行していったわけだ。

それからの数年間、すなわち90年代後半から2000年にかけての時期は、インターネットが
急速に普及したこともあり、中国では最初の海賊版全盛時代となる。

しかし、2001年11月に中国が念願のWTO世界貿易機関)に加盟すると、事情はかなり違ってきた。
WTO加盟国として、著作権に厳しいアメリカ等からの要求が高まってきたからだ。2004年7月7日、
アメリカのBSA(Business Software Alliance)が、2003年における世界各国の違法コピーソフトの
調査結果を発表した。それによれば著作権侵害率が最も高い国は中国とベトナムで、 92%に
達しているとのこと。この調査結果を受けて、2004年5月22日、中国の国家版権局はネット上の
版権監視管理システムを設立したと発表。監視を強めている。

それ以降は、明らかに海賊版の「横行」という情況はやや改善され、やや下火になりつつあるのを感じる。


5 :なまえないよぉ〜:2008/02/20(水) 11:43:30 id:k4YU+YmF
なげーよ!


10 :なまえないよぉ〜:2008/02/20(水) 18:04:38 id:Lusq7NP8
>それなら日本の中央省庁、経済産業省はどうだろう。その代表に電話して趣旨を話したが、
>「さあ、本省では、そういうことは扱っておりませんので、つなぎようがございません」と
>オペレータ嬢は電話を切った。

とりあえず対応が一番悪かったのが経済産業省だったということだけは把握


11 :なまえないよぉ〜:2008/02/20(水) 19:31:43 id:n3S+0MIy
読む気にならん

誰かまとめて


12 :なまえないよぉ〜:2008/02/20(水) 20:01:10 id:Mr4ssd/e
>>9
そういう見方もある、っていう意見を述べてるだけなのに
自分に都合の良いように拡大解釈するのは無能の証拠だぜ

> この報告書ではさらに、映像ソフトの海賊版の種類に関する侵害率分類が成されているが、
> その中のアニメに関する部分だけを取り出して見てみると、ビデオによるものが90%、VCDが84%、
> DVDが95%となっており、ビデオ海賊版とDVD海賊版の割合が、ほぼ同じ程度である。
ワロタ、9割って多すぎだろ

> それは、「華僑・華人が多いマレーシアで中国語版の正規品市場規模が0%であるのに対し、
> 侵害品市場規模は100%である」一方で、「マレー語版の正規品市場規模が100%であるのに
> 対して、侵害品市場規模は0%である」という事実である。
中国、無法すぎるワロタ


13 :なまえないよぉ〜:2008/02/20(水) 21:41:25 id:ZibQKxlv
>>12
もともと、いくらいいもの作っても権利は全て国家、って国だから、
庶民の意識はそらあ低いだろ。

・・・と思ったら華僑がマレーシアでもやってんのかよ。
もう何十年も海外にいるだろに。
中国人という存在の根源なのかね、他人のもの盗み汚し貶すのは。